投資信託の始め方

投資の入口として一番おすすめなのが投資信託です.しかし,何も知らないまま始めると食い物にされかねません.最低限のリテラシーをまとめました.

投資信託とは,投資家から集めたお金を,プロがまとめて運用する金融商品です.

例えば自分で株式投資をする場合,まず今後成長しそうな企業を探して,割安なときに株式を購入し,割高になったら売却するという作業が必要です.投資信託ではその作業をプロに任せることができ,手軽に投資ができます.

手間がかからない

証券口座の開設をして,どの投資信託にするかを選ぶことは必要ですが,あとは何もすることがありません.また解約も簡単にでき,数日あれば現金に戻せます.これ以上に手間のかからない金融商品を自分は知りません.

合理的

銀行で勧められる金融商品の中には,客にとって合理的でないものも多いです.投資信託の中にもそういった商品はありますが,基本を押さえれば,投資する価値のある合理的な商品を簡単に選ぶことができます.

複利効果を活かしやすい金融商品だという意味でも合理的です.通常,投資信託で増えた資産は再投資にまわされるため,投資信託を解約するときまで税金がかかりません.

大きく増やすのが難しい

大きく増やすことはできないと思ったほうがいいです.投資信託の利益だけで生活したいとか,脱サラしたいとか,そういう金融商品ではないです.

投資している感が薄い

これをデメリットと感じるかは人によるかもしれません.投資をするからには学びが多い方がいいと私は考えるので,手軽さ故の学びの少なさはデメリットだと感じます.

ざっくりした手順を示します.運用の手軽さとイメージが伝われば幸いです.

  • ネット証券口座を開設する
  • 入金する
  • 商品を選ぶ
  • 買付する

ネット証券口座を開設する

ネット証券会社の口座を開設しましょう.とりあえず持っていて損のないSBI証券がおすすめです.ネット証券会社にする理由は,手数料が安いからです.口座開設・維持費は無料です.

入金する

入金用の銀行口座が教えてもらえるので,そこに振り込めば入金完了です.

商品を選ぶ

証券会社のサイトに投資信託コーナーがあるので,そこでポチポチしたり検索したりして商品を選びましょう.選び方のポイントは後述します.

SBI証券投信コーナーの画像

買付する

商品のページに進むと買付ボタンがあるので,金額を入力して買付します.

投信商品ページの画像

あとは放置です.4年くらい買付しつつ放置したイメージはこんな感じ.

ポートフォリオの画像

インデックス型を選ぶ

投資信託は,大きく分けるとアクティブ型とインデックス型の2つにわかれます.2つの特徴を簡単に示します.

  • アクティブ型
    • プロの運用者が儲かると考えた株に投資する
    • 考える人の人件費が必要な分,手数料が高い
    • 運用会社や商品によって,中身は多種多様
  • インデックス型
    • 日経平均株価指数などの指数に投資する
    • 考える人が必要ないため,手数料が安い
    • 運用会社や商品が違っても,中身はほとんど一緒

プロが運用するアクティブ型のほうが利回りがいいだろうと普通考えるのですが,不思議とそうでもありません.利回りが悪くても手数料はしっかり持っていくし,それでプロなのか?と思うのですが.商品を選ぶ際に,アクティブ型とインデックス型という観点で,いろいろと見比べてみることをおすすめします.

と言いつつ,私はアクティブ型を買うこともあります.しかしそもそも論として,どの会社のどの商品はどういう運用方針だから儲かりそうとか調べている時点で,投資信託のメリットを半分損ねていると思うので,他人にアクティブ型は勧めません.

分散型を選ぶ

投資信託の投資対象をざっくり分けると,以下のものがあります.

  • 国内外の株式
  • 国内外の債券
  • 国内外の不動産

インデックス型で運用する場合,この中のどの対象に投資したいかが決まれば,どの投資信託を購入するかは決まったようなものです.ただ,どの対象に投資すればいいのかなんて,普通わからないですよね.

そこでおすすめなのが,分散型の投資信託です.分散型では上記の投資対象全てにバランスよく投資してくれます.世界経済全体に投資するイメージになるため,世界経済が拡大する限り資産が増えていく・・・と言われています.

自分もインデックス・分散型の投資信託に4年ほど投資していますが,値動きも安定しており,微量ですがじわじわ増えています.

手数料が安いものを選ぶ

手数料が安いほど利回りは大きくなります.特にインデックス型に投資する場合,運用利回りは指数に連動するため,基本的に各商品で利回りに差がでません.そのため手数料の安さくらいしか,選択の基準にならないです. 気にすべき手数料は主に以下の3つです.

  • 買付手数料
  • 信託報酬
  • 信託財産留保額

買付手数料

購入時にかかる手数料です.この手数料が無料のものを「ノーロード」と呼び,それ以外を選んではいけないと思っていいです.ネット証券会社はノーロードの取り扱いが多いです.

信託報酬

運用会社が毎年もっていく報酬のことです.保有している限りずっと取られる手数料なので,一番気にすべき.最初分かりにくいですが,運用利回りとして見える数値はこの報酬がとられた後の数値です(毎年報酬を別途支払うとかではない).

信託財産留保額

解約する際に取られる手数料です.投資信託の運用資産が目減りして,同じ投資信託を保有する他人の不利益になるため,解約時に自分の資産の一部を残していく仕組みです.長期保有を前提とした場合は,特に不利益になりません.

分配金が無いものを選ぶ

インデックス型の投資信託の中には,分配金のある商品は(たぶん)ないので心配ないですが,アクティブ型を買う場合には注意が必要です.

分配金が毎月・毎年払われるタイプの投資信託があり,日本人は結構このタイプが好きらしい.しかし,必ずしも運用益が分配されているというわけではなく,元本を切り崩して分配している商品もありますし,また分配金の仕組み自体が複利効果を薄めてしまうため,おすすめしません.

含み損になってもあわてない

最初は少しでも含み損を抱えると,「このまま下がり続けるんじゃないか」と不安になると思います.ですがそこで解約せずに,最低1年は様子を見てみることをおすすめします.

私は株やFXでは損切りしますが,投資信託は損切しないことにしています.ただし以下の3つが前提条件です.

  • 合理的な商品である
  • 長期的(10年以上)に保有するつもりである
  • 余剰資金で投資している

ドルコスト平均法を活かす

毎月(毎日・毎週でもよい)一定金額で投資信託を購入していくことをおすすめします.先の値動きはわかりませんし,値動きの予想に労力をかけたら本末転倒なので.詳しくはドルコスト平均法で調べましょう.ちなみに私は2018年1月にNISA枠分一括で投資信託を購入し,高値掴みしました.

三菱・eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)

インデックス・バランス型の投資信託としては現時点で一番人気があるみたい.これとニッセイ・バランスファンドが手数料争いをしているので,その時点で安い方を選ぶのがいいと思います.

野村・Funds-i内外7資産バランス・為替ヘッジ型

私が好きな,インデックス・バランス型の投資信託です.少し手数料高めですが,為替ヘッジがかかっているところが好みです(為替変動の影響を受けないようになっている).まあ世界に分散投資している時点で,既に為替ヘッジがかかっているようなものだという意見も見たことあるのですが.

楽天・全米株式インデックス・ファンド

この商品は米国株式のインデックス型投資信託なので,バランス型を推している記事の趣旨には反します.ただ,現在1つだけ選べと言われたら私はこれにします.これを楽天証券・楽天カードで積立購入します.

4年ほどバランス型に投資して思ったのですが,バランス型と株式型の違いは,変動の激しさの違いであって,最終的に右肩上がりなのは変わらないんですよね.長期保有前提であるならば,バランス型にする意味があまりないのでは?と思っています.まあたかだか4年の経験則なのですが.

日興・グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)

私が最近注目しているのはこの商品です.先物取引を活用することによって,バランス型なのに値動きは普通の3倍という,何とも言えない怪しさが魅力です.まだ出来て日が浅いので,少し購入して様子を見てみようかなと思っています.

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